FC2ブログ
--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2010-06-23

森の親切にご用心

どうも、ナリです。今回のSSは、前回のヤドリギさんを題材にしたものです。相も変わらず内容が薄いですが、お楽しみ頂ければ幸いです。
では、どうぞ!



「う~、どこなのよここはぁ~」
辺りは鬱蒼としてるし、何か気味の悪い木とかいっぱい生えてるし、もう最悪!
「あんな依頼受けなきゃ良かったなぁ……」
私が受けたのは、森のイノシシ退治。報酬は……まあ少ないけど、水と草だけの生活も三日目なわけで、早急にお金が欲しかったわけで。
で、現在は見知らぬ森で迷子になっているというわけ。まったく、後悔先に立たず、ね。

カサリ……
「ん?」
一瞬。ほんの一瞬だけど何か音がしたような気がした。
カサリ……
まただ。近くなってきてる。私は腰に帯びた短剣を抜いた。苦楽を共にした相棒を構え、周囲を見回す。イノシシならとっとと退治して帰れるんだけどな。
カサリ……
来た。屈んで跳躍の準備。いわゆるジャンプ斬りってやつね。
カサ……
「あ、あの~」
ジャンプしようとした私の目に飛び込んできたのは、十歳くらいの女の子。髪は明るい緑のツインテール、肌は少し茶色がかっている。拍子抜けした私は、思わずその場にずっこけてしまった。
「だ、大丈夫ですか?」

***

「悪いわね、休ませてもらっちゃって」
「いえ……」
あのあと、親切な少女に連れられて森の奥にある彼女の家にやってきた私。そこで木の実や水やキノコ等の食料を頂いた。ちょっと苦かったけど。
「でも、こんな人気の無い所に1人で住んでて怖く無い?」
大木をくり貫いて作られたその家には、壁や床がとても瑞々しく、新鮮な香りが漂っていた。
「いえ、1人ではないので」
「あ、そうなんだ」
物とかが少ないからてっきり一人で住んでるのかと思ったけど、同居人が居るみたい。
「ふぁ……」
お腹が満腹になると、続いて眠気がやってくる。今回もその例に漏れていないみたいね。
「少し横になるといいですよ」
「うん、じゃあそうするわ……」
ごろん、と床に寝転がる。やがて心地よい睡魔が……。

***

「んぅぅ……」
甘い、すごく甘い匂いがする。頭が蕩けそうな甘ったるい香り。目を擦ってみる。
「!」
おかしい、さっきまでと家の様子が違う。瑞々しかった壁や床はしわくちゃで、漂うのは甘い香り。
「ふふ、目が覚めた?」
女の声に上半身を起こして振り向く。
「なっ!」
そこに居たのは、床まで届く深緑色の長髪の女。上半身は葉っぱに守られた胸以外は露わで、下半身は人の形はしているが、緑色の蔦が絡まったもの。
「だ、誰!?」
「ふふ、自己紹介がまだだったわねぇ。あたしはタルウィ。ここの主よ」
この木の主? じゃあ、あの子は?
「ふふ……」
壁の一部が膨れ上がり、透明な房を作る。その中から出てきたのは……。
「な、なんで……」
あの子。でも、さっきと違う。明るい緑色の髪は濃い緑色になっているし、肌は雪のように白い。それに、あのこはこんな虚ろな目はしていなかった!
「ほんと、優秀な子だわ。あたしがお腹が空いたって言ったらすぐに獲物を獲って帰って来てくれるんだもん。この木に寄生してよかったわ」
獲物? 寄生? 何を言ってるの、この女……。
「あら、混乱しているみたいね。まあいいわ。貴女は今から私に食べられるんだから」
女が言葉を言い切った瞬間、床から透明な殻が現れて私を閉じ込めた! な、何よこれ!
「ふふ、活きがいいわねぇ。とっても美味しそう」
女が私を見て舌なめずりをしている。そうだ、短剣! あれさえあれば!
「ふふ、もしかして、この剣をお探しかしら?」
女の手には私が愛用している短観が。もう、だめなのかな……?
「あらあら、もう諦めちゃったの。しょうがないわね。じゃあ、いただきます」
殻から触手が出てきて、私の口内に入る。さらに幾つもの触手が、耳や鼻等のありとあらゆる穴から私の中に入ってくる。異物が入り込む痛さと、触手のぬめぬめとした気持ちの悪い感触! 
「い、いやぁぁぁっ!」
何かっ、何かが吸われていく! そんな感覚が広がって、それに伴って体が重くなっていく。
「うあぁっぁぁっぁ……!」
頬を涙が伝う。触手は体の中で蠢き、その度に痛さと気持ちの悪さと、そして妙な、本当に妙な、気持ちの良さを感じる。

「んっああ……あぅぅぅぅ!」
気持ちのよさが体にひろがっていく。もう、何も、考えたく、ない。この気持ちよさに体をあずけたい。

「んはぁぁぅぅぅんっ」
きもちいいよぉ、きもちいいよぉ、うねうねがきもちいいよぉ、すわれてくのがきもちいいよぉ……。
からだからちのけがひいていくきがする。かみがすこしのびたきがする。あしがほどけたきがする。ふくをぬいだきがする。わたしが、わたしがあのかたの、あのおかたのしもべになっていくきがするぅぅぅっ!

***

「どうしたの、迷子?」
私は目の前の女に声をかけた。艶々の短い黒髪、健康そうな肌。あの銀色の剣が邪魔だけど、眠らせてから盗っちゃえば良い。女はこくり、と頷いた。
「私の家に来る?」
あの方の餌になりに。かつての私のようにね……。

スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

鬼夜蛇神ナリ

Author:鬼夜蛇神ナリ
キヤタガミと読みます。悪堕ちと百合を愛する地球内腐的生命体です。

一応18禁ちっく(?)な作品がちらほらあるので、覚悟の上でお読みください。

基本的にリンクフリーですが、ご一報くださると幸いです。

仁王立ちだZE★霧雨魔理沙

まよねーず工場
カレンダー
03 | 2019/04 | 05
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -
カウンター
最新記事
リンク
カテゴリ
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。